こちらイタリアでは「今年のオリーブオイル」が店頭に並ぶ季節になりました。
先日、Serre di Rapolanoというところで催されていたFesta del'olioのDegustazione(試食会、試飲会かな)に行ってきました。
オリーブオイルを試す前に、「本物のオリーブオイル」についての講義が1時間以上ありました。
その内容は衝撃的でした。
本当のオリーブオイルを見分ける方法、
スーパーマーケットで売っているオリーブオイルは本物ではないこと、
オリーブの木について、その栽培、収穫の仕方、
オリーブオイルがどれだけ身体にいいか、
などなど。
そして、テイスティングの仕方を教わり、いよいよ試飲です。
小さな蓋付きのプラスチックコップに入れられたオリーブオイルが廻ってきました。
手の中でゆっくりコップを回しながらオイルを温めます。
そして、ふたを開け、鼻をコップに突っ込みます。
思った以上に強い香りがします。オイルってこんなに匂いがするんだ、、、
芝刈りをしたときの匂い、、、
そして、オイルを口に含み、何回か口の中で噛んでみて、味を確かめます。
そして、ゴクリ、、
ゲホッゲホッ
喉を強い刺激が襲います。
でも、美味しい。
芝刈りの匂いは「本当のオリーブオイル」の証拠。
そして、強い刺激も。
2番目のコップが廻ってきました。
同じようにオイルを温め、鼻を突っ込みます。
んんん、、、?
先ほどのような、沸き立つ香りはありません。
ちょっと酸化したオイルのような匂い。
これは、スーパーマーケットのオイルでした。
だれも、口に含もうとしません。
3番目に廻ってきたオイルはグリーントマトの様な香り、
4番目は同じくトマトでも完熟したトマトの香りで、まろやかな口当たり。
どちらも本物のオイルでした。
こうやって比べてみるとその匂いの違いはとても明らかで、驚きました。
オリーブオイルについて、ワインのようなグレードや品質の管理が徹底されれおらず、
「エキストラバージンオイル」と表記されていても、本物と全くそうでないものとが同じように売られているのが現状です。
この講義を受けて、思い出した本がありました。
5年前にイタリアに来る前に購入した本「エキストラバージンの嘘と真実」という本です。
購入したものの、最初の方だけ読んで、そのままになっていました。
Festaから帰宅して読み始めてみると、試飲会で受けた講義を復習しているような、そしてもっとそのオイル業界の深い裏側も語られており、
とても面白く読み進めました。まだイタリアに来たばかりの私には面白さがわからなかったこの本が、今になってこんなにも面白く読めるなんて。
そして、オリーブオイルのその魅力に私も取り付かれたようです。
今年は、いろんなオイルを試してみたい。
ここイタリアトスカーナではたくさんの農園がオリーブオイルを売っています。
本当のオイルを作るにはとても手間がかかるため、決して安い価格では手に入りません。
今年は凶作だったので、1リットル12ユーロぐらいでしょうか。
でも、本当のオイルはパンにかけて塩を振るだけで、本当に美味しい。
サラダにオイルをかけるだけで、サラダがぐっと強い味をもち、食べていると幸せになります。
もちろん、白いご飯にも合います。
そうそう、日本で「新米」といって、喜んでお米をいただくような感じで、
こちらは「今年のオイル」といって、今年のオリーブオイルの味を楽しむとイメージしていただくといいのではないかと思います。
日本では、なかなか本物のオイルを手に入れるのは難しいかもしれませんが、(価格も高いので)是非、一度試してみてくださいね。
その美味しさにはまると思います。